ドイツ シュトゥットガルト近郊で暮らしています。日々の出来事、シュヴァーベン地方の紹介などを書いています。
ロイトリンゲンの面白い "井戸"
2012年03月18日 (日) | 編集 |
前回(世界で一番狭い通り)の続きになりますが、
Reutlingen ロイトリンゲン に、ちょっと興味深い "井戸" がありました。

        Zunftbrunnen ツンフト ブルネン
           (直訳:同業者組合の井戸)
      井戸1
井戸の周りをぐるりと12の職業についてが彫刻で表現されています。

この12同業者組合が、以前の(中世:およそ1500年から、1862年まで)
この町で、社会的にも政治的にも 権力die Machtを握っていたそうです。

で、これらがその12の職業なのですが、辞書で調べても判らない単語が
         ↓  ↓  ↓  ↓
Bäcker、Gerber、Karcher、Krämer、Küfer、Kürschner、Metzger、
Schmied、Schneider、Schuster、Tucher、Weingärtner


ま、とにかく判ったのから写真に当てはめてみますね。

井戸2 井戸3
    Bäcker パン焼き職人         Gerber 革なめし職人

井戸5 井戸6
     Krämer 小売り商人         Küfer 樽職人

井戸7 井戸8
   Kürschner 毛皮加工職人        Metzger 肉屋

井戸9 井戸10
     Schmied 鍛冶屋         Schneider 仕立て屋

井戸11 井戸12
    Schuster 靴職人         Weingärtner ブドウ栽培者

さて、あと2つ。 KarcherTucher という職業です。

ペタさんに聞いても「わっかんな〜い。」(← おいっ!)と言われましたが、
ま そこはドイツ人(というよりシュヴァーベン人)の意地をかけて(?)
調べてくれました。・・・で 結果は〜、、

井戸4 井戸13
     Karcher 馬車の御者      Tucher 機織り(はたおり)職人

ペタさん:「古いシュヴァーベン語じゃないかなぁ、、。」.....なるへそ ですね。

ま、いいや。(12種 判って、すっきりしました!)

また、Zunft (同業者組合)って なんぞや?」と思って調べていたら、
日本語だと「ギルド」と訳されていて、
"中世ヨーロッパの都市で発達した商工業者の独占的、排他的な同業者組合"
というものだ いう内容に行きあたりました。

ん〜、そういえば 大昔に世界史かなんかで「ギルド」って出てきたような〜。

で、Zunftの終末について どんどん調べていったら、また興味深い話に繋がって行きました。

このような絶対的な権力を持っていた国家や制度から、自由と平等を求めて起きた
"市民革命"(ドイツに強い影響を及ぼしたのは"フランス革命")の後、
"Zunft"の支配に屈していた人々も同様に激しく抵抗するようになり、急激に
発展しだした工業化 die Industrialisierung も重なって、こういったZunft
衰退していったようです。(19世紀半ば)

その後、閉鎖的な経済にかわって始まった自由経済工業経済が、資本家 der Kaptalist労働者 der Arbeiter貧富の差を生み出していくことになりました。
安い賃金・劣悪な環境におかれた労働者の不満の高まりが再び革命を起こしたり、
社会主義運動へとむかうのを防ぐために、当時のドイツの宰相だった"ビスマルク"
が 労働者に対する「アメ として作った制度が
"世界で最初"の「社会保険制度」 das Sozialversicherungssystem
(疾病、高齢化、労災などに供える強制加入の保険制度)だそうです。 ほ〜ぅ

ちなみに「ムチ」は、"社会主義者鎮圧法" das Sozialistengesetz
(社会主義者の活動を禁止する法律) だそうです。ビスマルクの「飴と鞭」

今回 面白かった(興味深かった)のは、ロイトリンゲンで見つけた"井戸"から
"Zunft"という独占的な"親方"達の組合のことを知って、さらにそれが
ビスマルクの打ち出した "世界初の社会保険制度"にも繋がっていったことです。

もちろん歴史の背景には もっといろんなことが(戦争とか)絡んでいるわけですが
すべての事柄が、何かしらで繋がってきてるんだなぁ と改めて感じました。

また"Zunft"に関していえば、さすがにこの辺は海のない州なので
"Fischer"(魚屋)などの職業に関わる同業者組合はないわけです。

なんだか VHSのオリエンテーリングコースを、課外授業してきたみたい。

今回の発見を理解して、大まかにまとめるのに まる2日もかかりましたが、
簡潔に書きたい思いと裏腹に、また長文になってしまいました。
でもどうぞ懲りずに また見に来てくださいね



<メモメモ・・・>(ただのお勉強です、、

・「貧富の差」der Unterschied zwischen Reichen und Armen
・「飴と鞭」Zuckerbrot und Peitsche
  ※(慣用句 die Redewendung )


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コメント
この記事へのコメント
No title
ドイツ語の単語と歴史と、この記事も面白かったです。
VHSのオリエンテーリングコースではこういった感じのことも教えてもらえるんですね、面白そう!
シュヴァーベン語って、ドイツ語の方言みたいな感じですか??
2012/03/18(日) 21:43:45 | URL | ミッキー. #J9gPYW9c[ 編集]
ミッキーさん(^_^)
長いのに読んでくださってありがとうございます!
今回のは自主学習です(*_*)
時間はかかりましたが、ちょっとはドイツ語の単語の勉強になったかも。
シュヴァーベン語(Schwäbisch)はドイツのシュヴァーベン地方で話されている方言です。ミュンヘンの辺りだとバイリシュ(Bairisch)、ケルンの辺りだとケルシュ(Kölsch)などなど、様々な地域で方言が話されているようですよ。v-17
ちなみに標準語(Hochdeutsch ホーホドイチュ)は"ハノーファー"で話されてる言葉と言われています。
ドイツの方言は、発音だけじゃなく 単語(名詞なんか)が違ってたりするのも多いので、学校で標準語を勉強している側にとっては聞いてて理解不能です。v-12
ま、大抵はどこの地域のドイツ人も標準語は話せる(知ってる?)みたいですから、恐れる事はないかと思っています。e-454
2012/03/18(日) 23:21:37 | URL | 由麻 #Q9J.FUXY[ 編集]
勉強になりました!
ツンフトにギルド、高校の世界史で聞いて以来です!
あの頃はあまり理解もせず単語だけ覚えていましたが、由麻さんの説明でよくわかりました♪ありがとうございますe-348
なるほど、南ドイツは海がないのでFischerはいないんですね!
ロイトリンゲン、面白そうなのでますます行ってみたくなりましたe-454
2012/03/19(月) 01:08:43 | URL | しるでぃ #-[ 編集]
しるでぃさん(^_^)
出来事の背景を知るのは 骨が折れますが、なかなか面白いですね。v-87v-362
そうそう、ブログに書きそびれましたが、この12個の彫刻はそれぞれ 台が回転するようです。(後で知りました)
いろんな角度からみれるように工夫してあるそうですよ!v-424
2012/03/19(月) 02:20:57 | URL | 由麻 #Q9J.FUXY[ 編集]
すごい!
スゴイです! 勉強になりました。
へーー、なるほどーー。と思いながら読み進むことができました☆
本物を見てみたいです。 彫刻すごく良く出来てますね。

まとめてブログにしてくださって、ありがとうございます!
ペタさんもお疲れさまでした〜。
2012/03/19(月) 02:56:28 | URL | URARAN #-[ 編集]
URARANさん
そういっていただけると嬉しいです。e-445
うまくまとまらなくて、正直 何度もくじけそうでした、、。
ペタさん:「どういたしまして!」e-454
こちら方面にいらっしゃるときは、"世界一狭い通り"と、"Zunftbrunnen"の彫刻を見にReutlingenにも寄ってみてくださいね!e-278
2012/03/19(月) 05:10:02 | URL | 由麻 #Q9J.FUXY[ 編集]
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